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「オギャー、オギャー!」
「リリア様!元気な男の子がお生まれになりましたよ。おめでとうございます。」
1人の助産婦がリリアと呼ばれる女に声をかける。
リリアは“ブォンラフ”と言う、ヴァンパイアの国に住む、第一王妃である。
「ありがとう…、早く抱かせて頂戴?」
「はい、リリア様」
助産婦はリリアに抱いていた子を渡す。
リリアは腕にかかった重み、身体の奥まで入り込むような暖かさに涙を流した。
「ふふふ、可愛いわね~…。エルシュ……、今日から貴方はエルシュよ。さあ、目をあけてごらんなさい?」
リリアは腕の中の子が未だ目を開けてない事に気付き、開くように聞かせる。そして、ゆっくりと目を開ける子に、リリアは絶句した。
「な…!何なの?!青い目?ま、まさか!!」
リリアの目の色は赤である。リリアだけではなく、“ブォンラフ”には赤い目のヴァンパイアしかいない。青い目はごく稀にしか生まれず、それを持ったものは忌み嫌われる…
ここから、エルシュと言う少年の復讐心が募って行く……
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