第1章

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「オギャー、オギャー!」 「リリア様!元気な男の子がお生まれになりましたよ。おめでとうございます。」 1人の助産婦がリリアと呼ばれる女に声をかける。 リリアは“ブォンラフ”と言う、ヴァンパイアの国に住む、第一王妃である。 「ありがとう…、早く抱かせて頂戴?」 「はい、リリア様」 助産婦はリリアに抱いていた子を渡す。 リリアは腕にかかった重み、身体の奥まで入り込むような暖かさに涙を流した。 「ふふふ、可愛いわね~…。エルシュ……、今日から貴方はエルシュよ。さあ、目をあけてごらんなさい?」 リリアは腕の中の子が未だ目を開けてない事に気付き、開くように聞かせる。そして、ゆっくりと目を開ける子に、リリアは絶句した。 「な…!何なの?!青い目?ま、まさか!!」 リリアの目の色は赤である。リリアだけではなく、“ブォンラフ”には赤い目のヴァンパイアしかいない。青い目はごく稀にしか生まれず、それを持ったものは忌み嫌われる… ここから、エルシュと言う少年の復讐心が募って行く……
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!