臓器提供の日まで……

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「俺、来年は 絶対に合格するから!! 」 「うん。頑張って。 私立の医学部に行かせる お金が無くて……ごめん」 「いや、私立の医学部、 高いんだろう……」 「そうなのよ! 0が1つ 違うのよ~。桁が違うのよ」 俺の母親はきゃあ、きゃあ、 言いながら騒いでそう言った。 「0が1つか…… それは、凄い額だな。 次は頑張るから……」 「うん、無理しないで」 とお母さんは言って 部屋から出て行った。 勉強ができるって 幸せ何だよな~。 真澄の姿が頭を 過った。 いや、勉強をさせて 貰えるなんて幸せだよな。 と改めて思った。 真澄……助けてやれなくて 本当に悪かった。 初めて俺が 医学部を 希望した時は 真澄が、あんな 状態だなんて 知らなかった。 が、なら 尚更、頑張ろうと 俺は決めた。
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