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夕食は厨房が使えないので、暫く先生達が近くのコンビニからお弁当や惣菜を買ってきてくれたものを食べた。
中に鮭や卵焼きや煮物が入っていたり焼いた鶏肉やスパゲティが入っていたり見た目も豪華で味も濃い。惣菜のポテトサラダもサッパリとして甘くて美味しい。
飲み物は普段飲まない炭酸飲料やコーラ、紅茶が付いている。
僕達は、施設の外にこんな食べ物や飲み物がある事を初めて知った。
日頃は栄養士と調理師が、栄養バランスを考えて作ってくれたものを食べていたから、外の食べ物の事なんて知らなかったけど。
長机がずらりと並んだ広い食堂では誰もが、
「何これ？」
「凄く旨い」
「初めてだ」
と、今晩が初となるコンビニ弁当や惣菜に舌鼓を打つその中で、
「草刈君が？」
「そうなのよ」
「怖いわね…」
「先生にも…」
僕に対する放火犯の疑いは、瞬く間に施設の子供達に拡散され、早くも不安感や不信感を煽り初めている。
僕を虐めるのはやめてくれと此処で叫びたかったけれど、木戸君の素性を掴むまで何とかぐっと堪えなくちゃ。
逃げ出す訳にはいかない。
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