蟷螂

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 翌朝、  施設の子供達は食堂で何やら取っ組み合いの喧嘩を始めていた。 テーブルや椅子をひっくり返したり、朝食のおかずを床にぶちまけたりと酷い有り様で、 複数の男子の喧嘩を女子が取り囲んで眺めている。  喧嘩する男子の中には、木戸君の姿があった。  「白状しろよ。僕の後を尾けて厨房を覗いただろう」  村山君の上に馬乗りになって叫ぶ。木戸君はあの時、尾行した僕を見ていたんだが、足早に立ち去ったので僕だとまでは判らなかったんだろう。  「何の事だよ! 判らないよ!」  村山君は泣きながら尾行していないと主張する。  「まだしらを切る気か?」  木戸君は村山君がイエスと言うまでやめないらしい。  「木戸君。何の根拠があるのか判らないが、君らしくないよ」  僕は止めに入るんだけど「放火魔は引っ込んでろ」と突き飛ばされてしまった。  「木戸君。村山君も喧嘩は良くないよ」  諦めずに木戸君と村山君を引き離そうと近付くと、  「お前もやられたいのか!」  と子供達の群れの中に投げ飛ばされる。
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