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言質してどうこうしたいと言うよりも、僕には晴らしたい疑問が幾つかあった。
施設に放火した理由もそうだけど、僕を冤罪の対象に選んだ理由、僕に何か恨みがあったのか……。
そして僕はどうして部屋で眠っていたのか。
その答えはきっと真っ黒こげになってしまった厨房にあるんだと思う。
そうなると僕は厨房に行かなければならないのだが。
「僕はただ、知りたいだけなんです。火災の前後に何があったのか」
先生と二人きり残された広場で僕は先生の目を見て答えた。
「それは…私には出来ないわ」
どこか含みのある表情で先生は言うけれど、知っているけれど僕達には言えない理由があるのか、それとも教えたいけど本当に知らないから出来ないのか、何か裏を抱えたような口振りだった。
先生ですら知らない事がこの施設にはあるんだろうか?
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