尾花葛花撫子の人

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インディアン的サマー日和にうとうとしていた。 目を瞑り、イヤホンをして、お尻をずらし、足を投げ出しだらしない格好をしていた。誰も話し掛けてくれるなオーラを出していたのにいくもから電話が掛かってきた。 huu god damn い「ちょっと話し掛けられたくない人と暫く部屋で二人っきりにならなきゃいけないんだけど、その間電話してて」 ね「……」 い「聞いてる?」 ね「電話してるふりでもしてたら?」 い「一人芝居が出来ない人だからさ」 い「何か私が興味無さそうな話プリーズ」 ね「興味無さそう?なんで?」 い「面白い話だと最後まで聞きたくなるじゃん?名前呼ばれたら、わたし、行かなきゃならないのよ」 ……本当迷惑 ね「ヴィルヘルム一世いるじゃん?」 い「ん?(笑)どなた?(笑)」 ね「プロイセンの王様」 い「何でいきなりそんな話するの?」 ね「興味無さそうな話しろっていったのいくもだろ?」 い「そうだったね(笑)で?」 ね「ドイツ皇帝になるじゃん?」 い「知らないねえ(笑)」 文系だろ?文系どうこうの前に中学校でやる話だろ? ね「ドイツ皇帝の即位式は占領したベルサイユ宮殿でしたんだけど、昔、ナポレオンにベルリンを制圧された仕返しなんだってさ」 い「……」 ね「……」 い「……終わり?」 ね「……うん」 い「そこまで面白くない話じゃなくても大丈夫だったんだけどね」 ね「……」 い「あ、呼ばれた!何かもやもやが残ったけどありがとう。じゃ(笑)」 ね「……」 暫くいくもとは絶交しようと思う。
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