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「志緒(しお)、声出して」
「やだ……」
「やだじゃない。
それとも、やめようか?」
「……もっと、やだ」
もっと恥ずかしい思いをしろと、
拓海さんの目が
愉しそうに細められる。
拓海さんは決して優しくない。
何度もこうして
彼に抱かれたけれど、
彼のすることは痛いくらいで、
安心感なんて
もらえたためしがない。
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