セピア色の思い出1 -柚希side-

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助かった。  電車に乗ってこんな風に思うのは初めてだ。  人の波が地下へ降りる階段へ流れて行く。  あたしもそれに負けまいと歩き始めたのだけれど・・・。 「あ!!」  誰かにぶつかり握りしめていたはずのまだピカピカのスマホが手からなくなっていた。 「あたしのスマホ・・・(T_T)」  うろうろと立ち止まって階段を見回す。ホント迷惑だって思うよ・・・。  階段の途中でうろうろと探した結果、立ち止まっていた細く長い脚の真横に落ちているのを発見した。
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