セピア色の思い出1 -柚希side-

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     ◇ 「滑り込みセーフ?」 「アウト!!」「アウト!!」  遥香と莉奈が同時に声を上げる。 「・・・て、冗談。ギリギリセーフ。」  莉奈がニヤリと笑った。 「焦った・・・。レポートも大丈夫かな?」  提出しなければいけない社会科のノートは教卓の上に積まれていた。 「柚希が最後だから罰として先生の所へ持ってってね。」 ため息。 「あたしは連絡したけど。LINE見なかった?」  遥香がスマホを手に取りメッセージの確認をする。 「そう言えば・・・あたし駅でスマホ落として・・・。」 「壊れてない?」  遥香の声にあわてて制服のポケットを探った。あった、あった。  あたしは確認のために電源を入れてパスワードを入力する。 『パスワードが違います』  無情なメッセージ。
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