ピンク色のときめき -隼登side-

5/13
前へ
/265ページ
次へ
     ◇  部活が終わって三々五々解散していった。俺はというとバスから駅。駅から彼女と同じ電車に乗り3つ目の駅で降りる。航はそれからさらに2つ先まで乗って行く。夕方の電車も当然のごとく通勤ラッシュ程ではないが混み合っている。  俺たちは同じ電車なので開かない方の出入り口近くに陣取っていた。 「柚希ちゃんは彼氏いないの?」  相変わらず航は彼女のことを“柚希ちゃん”と下の名前で呼ぶ。馴れ馴れしい。俺は恐れ多くてそんな風には呼べない。  航の質問にあいまいな笑顔を見せる。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加