狂の章

26/59
6106人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
「おいおいおいおい……嘘やろ……いきなり居るやんけ!」 大雅がそう言って足を一歩下げた瞬間、狂鳴人はサトル達の姿に気づいて首を傾ける。 ガチッと歯を噛み合わせると同時に、狂鳴人の口から小枝のように飛び出ていた雀の足がポトリと落ちる。 その直後、両腕を腹の前でプラプラさせながらサトル達が立つ場所へ向かって走り出した。 「全速力で逃げてください!!あいつらはパワーは異常でもスピードは人間だった時から変わってないはずです!」 サトルは地面に落ちている手のひらサイズの石を狂鳴人に投げ付けながら、大雅と鈴村に向かって叫ぶ。 鈴村は恐怖で引き攣った顔で走り出すが、盛り上がった地面に躓いて転がる。 「うわぁ……」 膝を押さえて蹲る鈴村の手をグッと握って立ち上がらせる大雅。 「オッサン……痛がってるヒマなんか無いで!死にたくなかったら……走れ!」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!