序章

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江戸時代末期、ペリー来航をきっかけに幕府の政治は混乱に陥った。 一方、国の都である京では、幕府政治に不満を持った者たちによる天誅事件、強盗等が多発し、治安は悪化の一途をたどっていた。 そんな京の治安を守るために組織されたのが京都守護職であり、その配下に置かれたのが、近藤勇を局長とした新撰組である。 彼らは“維新を十年遅らせた”と言われる池田屋事件で一挙に名を馳せ、最強かつ最後の剣客集団として後世に伝えられた。 そんな組織を、鉄の掟である“局中法度”で縛り、一度(ヒトタビ)反すれば、仲間であろうと友であろうと情け容赦なく切腹に追い込んだのが、“鬼”の異名を取った副長・土方歳三であった。土方の名は局長・近藤と共に畏怖の存在として語られ、戊辰戦争最後の戦場である箱館まで彼は戦い抜いた。 しかし、そんな戦の鬼すらもたじろがせる夜叉が、この新撰組にいた…。
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