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「“なんて事”はこちらの台詞です。廊下に落とし穴仕込んだ挙句、落ちたその決定的瞬間を写真に収めるなんて、趣味が悪いにもほどがあります。その悪趣味をもっと別の方向に有効活動して頂けませんかねえ」
カメラが破壊された事を嘆く諸士調役兼監察方の山崎烝と、近藤の写真がおじゃんになった事を憤慨する副長助勤の沖田総司。
「せっかく近藤さんも撮れたのに…おにー、明日夢君の鬼ー」
「監察の仕事でも使お思てたのに…おにー、明日夢はんの鬼ー」
「仕事だけに使用してください」
イタズラ仲間の二人は同じような台詞を吐いて、ショボーンとした様子で去っていった。
「…確かにカメラはおじゃんになったんやけど…残念がる事ないで総司はん。実はあのカメラ、撮った写真がすーぐ出て来る構造にしとったんや。せやから、写真自体はここにあるんや」
「ホントですか!!」
「せやで。これが明日夢はんで、これが局ちょ」
チュイン!
「「………」」
「ちっ。外したか」
こっそり懐から出したのもつかの間。その写真すれすれを例の笏が通り過ぎていった。あと数センチで、顔の部分を持っていかれるところだっただろう。
「あー!!ちょっ、明日夢!何して…って、俺の髪!!俺、なんかした!?」
写真は無理だったが、明日夢の笏は“かみ”は“かみ”でも、副長助勤を務める永倉新八の頭髪とバンダナを捕らえ、壁に衝突して粉々に砕け散るという壮絶な最期を遂げた。彼が活躍した証は、永倉の頭にハゲという形で残ったのであった。
「…って、残ってたまるかあああ!!」
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