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「...うん。頑張ろうね、小栗」
「いいかげん、名前で呼べよ、舞」
「.....ゆ。...優斗...」
彼に言われた通りに、ぎこちなく彼の名を呟いた。
気が付くと”舞”と呼ばれていることに、
すんなり受け入れている自分に気づいた。
あれほど、阿部さんと同じ恐怖を抱いていた。
彼から呼ばれる私の名前は、
愛おしいフレーズへと変わっている。
こうした一つ一つのことを、
私たちは、これから少しずつ、
壊していかなくてはいけないんだ。
私へと彼は満足そうにほほ笑み、
「よく出来ました」
そういって、
私の頭をポンポンと優しく触れた。
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