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だがしかし、馬車を飛ばしたとしても騎馬から逃げられるものではない。そもそもの限界が違う。
伝令を出してサルディニアからの迎えを出させるべきだろうか、そう考えたときにメッテルニヒが視界に入る。彼が意識的に割り込んできたのだ。
「メッテルニヒ」
「はっ」
「サルディニア王国に走り、迎えの部隊を出させるよう説き伏せよ」
「承知いたしました」
メディナは残り少なくなった、サリスの印鑑が押されている命令書にサインして、山賊に追われていると加えて持たせる。すぐに意味を理解したメッテルニヒは、北に向かい馬を走らせると、その背が見えなくなった。寝不足で隈が出来ているが、動きに遜色は見られない。勝負所なのを理解しているのだ。
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