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配備を終えたあたりでついに敵が姿を現した。道から外れた場所に陣取るサリスらに近づくと、弓矢をつかい問答無用に攻撃してきた。こうなれば目的が捕縛ではなく、殺害なのがはっきりとする。
レーム王国の正規軍プレートを着こんだ騎兵らは、包囲するように薄く広がった。つけいる隙を探って騎兵が周囲をじっくりと見定める。一度襲い掛かれば後はなし崩し的に崩壊するのは目に見えていた。
あたかも猟犬が獲物を探る目付きのようだ。遠巻きにしていた騎兵らが下馬すると、正面からの歩兵戦闘を選択してきた。単純に二倍近い兵力差がある以上は、それがもっとも有効な方法であると言えた。技量が同等であれば数が多いほうが勝つのは当然の論理である。
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