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メディナ自らも細身の剣を抜いて戦線に加わる。事ここに至っては戦力が一人でも多く欲しかった。
砂塵はどうやら追手側のほうがやや近いらしい、細いものが近づく。呻き声をあげて隣の兵が倒れる、後方に引きずられて行き侍女らによって手当てを施される。メッテルニヒが戻るまで保つのは極めて厳しい見通しである。
――限界が近い!
「耐えよ、この一戦に今後の帝国の命運がかかっている!」
やや大袈裟ながらも、サリスが倒されてしまえば希望も潰えてしまう為に、全くのホラでもなかった。それでも数分間高揚するだけの効果はあった。一時的に動きが良くなったのだ。
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