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馬蹄が鳴る音が聞こえてきた、ついに追手の後続が視界に入ってきた。戦闘の加速であまり広く視野を保つことが出来ない。
「下がるな! まだだ、まだ堪えよ!」
メディナが怖じ気付く兵を督戦するかのように声をかける。だが一部の者は明らかに戦意を喪失してしまっていた、傭兵の一部が様子を見て逃げ出そうとしている。
増援の騎馬兵は下馬するわけでなく、敵歩兵に近づくと後を指差して何かを叫ぶ。少し時間を隔てて更に後方から騎馬兵が姿を現した、メッテルニヒのサルディニア軍はまだ時間がかかりそうである。
近くの敵が最後の木柵を倒して肉迫してくる、対峙しながら絶望を悟った……
「全員武器を手に!」
後方にも命令した。安全地帯などもう無いのだ。
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