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「死んでるかと思ってたわ、その……伯爵は残念なことになった」
「父上はあれで本望だったろうさ。武人として最高の終わり方だった」
案外すんなりと彼は答えた。実際武人ならばそのような最期は望むところなのかもしれない。ふとメディナが疑問に気付く。
「どうやってここが?」
「ああ、ミッドルに伝令を出していただろう? そいつを運良く見つけたのさ」
二人が握手を交わしているところに、ドレスを纏ったサリスが現れた。皆が膝をついて臣下の礼をとる。
「メディナ、それにルシファー。ありがとうございます、また助けられましたね」
ルシファーは改めて自らの主君に忠誠を誓う。たった一時の判断ミスで、数ヵ月もの間危険な目に会わせてしまった自らを深く恨んだ。
「罰こそ受けれど、そのようなお言葉をいただけるなど、このド=ダグラス感激の極み」
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