奪還任務

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 少なからず追撃を受けたが、道々にトラップを巡らせている悪辣ぶりで、一旦ラーマベインへ敵が引き返していった。次に繰り出してくる時は数も装備も違ってくるだろうこと疑い無かった。  重傷者を馬車に寝かせて、医療担当が手当てを試みる、命に別状はないが暫くは自力では動けない者が数名出た。隊を副官に任せて、ド=マッセナ伯爵を探す。すぐに居場所が分かり、状態を確かめる。目立った負傷は無いようだ。 「伯爵閣下、お怪我はございませんか?」  背筋を伸ばして静かに座る姿は堂々としている。やはりこちらも上に立つ人物なのがすぐに見て取れた、カリスマ性とでもいうのだろうか、安心を与えてくれる。
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