196人が本棚に入れています
本棚に追加
「うむ、問題ない。大尉、君が皇女護衛部長ならば、娘を知っているな」
「はっ、此度の計画も公女の案であります」
前後する部分があったりするが、大筋で間違ってはいない。些細な指摘など不要だ。
「何か言われてはいないかね」
一瞬躊躇うも、隠す必要もないと書簡を渡す。中身を見て頷く。
「帰路にもしもの事が無いとも言い切れない、署名しておこう」
「よろしいのですか?」
メディナがこれを盾に退位を迫れば、伯爵は地位を追われることになる。それが実の娘でも、いや、そうだからこそ余計に。即断しろというのが無茶な内容なのだ、それなのに彼は迷うことなく述べたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!