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小休止を掛けると、先程の小隊長に偵察を出すように命じた。眼前の山の中腹あたりを指して、下士官を送るよう求める。直ぐに手練れの軍曹が志願し、兵を一人つれて向かっていった。
十分の小休止はあっと言うまに過ぎ去っていった。捕捉されたら最後、要人にも被害が出る可能性が高くなる。一時間程山道を歩いたが、戦いの声が近づいてきているのがはっきり分かる。
――限界が来ているだろう、後備を交代させねば。
レーム小隊長を呼び、命令を伝える。数十人が集まり、幅をとって隊形を保った。
「交代だ。殿を頼む」
「お任せを。我らとて遊びできているわけではありません」
その場に防衛線を構築し、サリス護衛小隊がきたら通過させることで交代すると述べた。
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