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本来ならば大休止を行うべき箇所で、時間を半分にして移動を急いだ。高齢の者が汗を流して辛そうに呼吸をしている。一言とて文句を言わないのが、逆にアスターの胸を痛めた。
視界の先でキラキラと何かが反射するのが見える、先程の偵察からである。
――あたりか!
「全員停止! 陣地を構築せよ、塹壕戦を行うぞ」
唐突な命令に耳を疑ったが、多くが要人の消耗ぶりを見て納得した。
下士官の指示で急速に防御陣地が作られて行く、適当な場所があるわけもなく、一ヶ所はがら空きに近いくらいの防備しか出来なかった。それでも効果を発揮し、少しでも有利に防戦できるように必死に動く。
ミュラーらも石を拾い集めるなどして作業の手伝いをした。
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