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鍛え上げられた肉体に、厳しい目付き、軍服に大佐の階級章を着けた男が、並んでいた兵士を割って進み出る。
兵の掲げる軍旗はディール帝国第7軍・第3准旅団旗が確認できた。
「そこに居るやつらは、ザームラント王国・ラーマベイン要塞で犯罪を起こした集団であり、我らはディール帝国に背く意思は有していない!」
司令と思われる中佐が現れ、アスターらを指差し説明する。数の上でもそうだが、帝国正規軍と正面切って交戦するような権限は与えられていないようだ。
「そこの中隊は、我が第3准旅団の演習中隊である。貴官等が探す犯罪者は別者であろう」
示し合わせていたかのように、アスターらの居る場所に第7軍旗が翻る。様々な旗の中にこれも含めていた、出所はもちろん借り受けた兵である。
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