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「紘斗は何をお願いしたの?」
「教えたらご利益ない」
「ふーん、願い事あるんだ」
「……おまえ、おれをなんだと思ってるんだ?」
「紘斗だ! って思ってる」
「なんだ、それ」
つぶやいて紘斗はさっさと戻り始める。姫良は神殿に一礼すると紘斗を追った。
「手……繋いでいい?」
「さっきは訊かなかったくせに」
「うん、て云ってくれそうにないから」
「わかってるなら訊くな」
くすくすと笑いながら姫良は紘斗の手に触れる。
「手を繋ぐの、はじめてなのに、なんだか紘斗の手って懐かしい感じがする」
「………はじめて……か。薄情な奴」
紘斗は小さく吐いた。
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