3 風の巻き

4/4
前へ
/200ページ
次へ
そうしていると、だんだんと風さんの力が弱くなってきます。 すると二人は、少しずつ下へ降りていきます。 とうとう、青空幼稚園の園庭にふんわりと着地したのです。 二人が着ていた、雲さんのお洋服もだんだんと消えてなくなったのです。 二人は顔を見合わせて、「フ、フ、フ」と笑い出します。 「楽しかったね、みかんちゃん」りんごちゃんは、笑顔でいいます。 「うん楽しかったね、りんごちゃん」みかんちゃんも笑顔で言います。 二人は、手を取り合って、お空に飛んで行った風さんに、 「さよなら風さん、ありがとう風さん」と言って手を振りました。 お空に飛んで行った風さんは、振り向いて、二人に「さようなら、また遊ぼう ね」と言いながら飛んで行きます。 みかんちゃんとりんごちゃんが帰って来ないので、心配になったもも先生が、 園庭に二人の様子を見にやってきました。 二人はもも先生に、風さんと一緒にお空に飛んでいった事を、話しました。 もも先生は驚きましたが、二人に、「みかんちゃんと、りんごちゃんは、風の妖精さんに出会ったのね」 と言うと、にこにこと二人を見つめていました。「風の妖精さんだったんだ」 と二人で、つぶやいていました。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加