2 雨の巻き

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その様子を見ていたリンゴちゃんは、 目を輝かせて、自分も真似をします。ピシャと言う音と共に水が飛び跳ねます。 「おもしろいね。みかんちゃん」二人が着ていたカッパは、 泥水で絵が描かれている様に見えます。 リンゴちゃんの赤い傘とみかんちゃんの黄色い傘に、雨が歌う様に、 ポトン、ポトンと音を立てながら、降りそそぎます。 二人は、その雨の音に合わせて、歌をまた歌います。 今度は歌詞はなく、らーの言葉だけで歌を歌っています。 「ら~、ら~、ら~、ら~、ら~」と二人笑顔で歌っています。 次第に雨の音が小さくなってきました。そしてとうとう雨の音が聞こえなくな りました。 「え~みかんちゃん雨の音聞こえなくなったね。どうしたのかな。」不思議そ うにリンゴちゃんが言います。 「りんごちゃん、本当だね、どうしたのかな。雨さんどっかへ行っちゃたのか な」みかんちゃんも、目をまん丸にして言います。
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