ある夏休み

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電話を終えて再び空と海を見ていると、後ろのほうから近づいてくる気配が伝わってきた。 両腕に毛布と食料を抱え 彼女は笑顔で、 「ただいま」 っと言ったので僕も笑って 『おかえり』 と言った。 パン、おにぎり、サンドイッチ、ジュース、お茶… そういったものがドサドサッっとコンビニの袋から出てきた。 「なんでも好きなものを食べてね、わたしも食べるから」 と彼女はおにぎりを手にしながら言った。 僕もサンドイッチと缶のお茶を手に取り、食べ始めた。 お互い口の中がいっぱいなので会話がない。 また、周囲は波の音が響くだけになった。
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