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『なんか不思議だな・・・』
「何が?」
『初めて来た海で初めてあった女の子とこんな風にご飯を食べながら空と海を見てるのが』
「ふふっ…」
彼女はおにぎりを食べながら笑った。
「あたしも思ったよ。なんでこの人こんなところで寝てるんだろ?ここでずっと空と海を見てたら?って言ったら、そうするって言うし」
『ははっ』
僕も笑った、確かに今日の僕は不思議な行動をとってる。
でもなんでだろう…
すごく心と体が気持ちいい。
ここでこうしてるのが不思議な夜。
「あたしね少し不安だったんだょ?」
『え?』
「毛布とご飯を持ってここにきたら誰もいなくて、あぁさっきの人は幽霊だったんだ…ってなるんじゃないかと思って」
『ははっ、それ僕も思った』
「あなたも?」
『うん。さっき話してた女の子は幻で、僕はずっとここで来ない女の子を待ってるのかなぁって』
「ふふっ、そっかぁおんなじなんだね」
『うん、おんなじだね』
僕はサンドイッチを持って、彼女はおにぎりを持って笑いあう。
暗い中に波の音が響く、トキドキ魚が跳ねる音がする。
「ほらっ空と海の色がさっきと違うの。わかる?」
不意に彼女が言った。僕は空を見上げた
『うわぁ・・・』
空はどこまでも広かった。
完全な夜の暗闇が余計なものを見えなくさせる。
空には、ただ満天の星空としか言えないような光景が広がっていた。
「…どうしたの?」
『うん…ちょっと感動してる…こんなに星ってあったんだなぁ・・・』
「ふふっ。あなたって変だよね、やっぱり。星を今までに見たことなかったの?」
『あるけど…こんなに凄い星空は見たことなかったから…』
僕は空を見上げたまま言った。
首をグルッっと回して空全体の星を見ようとする。
山の陰があるところは闇が濃い、確かに夜って黒一色じゃない。
『凄いなぁ…あ、白鳥座、こと座があって・・・夏の大三角だ』
「星座、よく知ってるね。星を見たことなかったみたいなのに」
『受験勉強で覚えたからね。夏の大三角はこと座、1等星(ベガ)わし座の1等星(アルタイル)白鳥座の1等星(デネブ)を結んでできる三角形とか』
「ふ~ん、そうなんだぁ。あたしは勉強はあんまり好きじゃないから分からなかったアルタイルが彦星でベガがおり姫座だっけ?」
『うん、そうだよ。よく知ってるじゃん』
「幼稚園のときに習ったからだょ」
恥ずかしそうに彼女が笑う。
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