ある夏休み

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まったく釣れない状況に 友達は気を利かせて、彼の知っている絶好のポイントを教えてくれた。 そこに行けば、釣れ過ぎるくらい釣れるのだと言う。 でも僕は動かなかった。 目の前に広がる海と空、 それを見ながらコンクリートの上に座って釣り糸を垂らす。 この状態がとても心地よかったからだ。 釣りというよりは海と空が好きになっていた。 海と空がこんな姿だったなんて、 僕はとても穏やかな気持ちでそれを感じていた。 友達は僕が怒っているのだと勘違いしたのか、気まずそうに1人で彼の言うとっておきの場所に移動した。
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