7人が本棚に入れています
本棚に追加
まったく釣れない状況に
友達は気を利かせて、彼の知っている絶好のポイントを教えてくれた。
そこに行けば、釣れ過ぎるくらい釣れるのだと言う。
でも僕は動かなかった。
目の前に広がる海と空、
それを見ながらコンクリートの上に座って釣り糸を垂らす。
この状態がとても心地よかったからだ。
釣りというよりは海と空が好きになっていた。
海と空がこんな姿だったなんて、
僕はとても穏やかな気持ちでそれを感じていた。
友達は僕が怒っているのだと勘違いしたのか、気まずそうに1人で彼の言うとっておきの場所に移動した。
最初のコメントを投稿しよう!