漆黒の中の正直

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柚木は深く溜息を吐いた後、 フルートを取り出し奏で始めた。 (今日はつまらない気分だな・・。 ふっ。 俺としたことが・・) せっかくの良い気分を台無しにされた為か、 音色が乱れた。 「ちっ。 気分が優れない。 」 と舌うちをし、 気分転換に、 ピアノが置いてある側の防音仕様の窓に歩みよる。 と、 足元に変に柔らかい奇妙な感触が左に走った。 「???」 恐る恐る視線を足元に落とす。 「!」 柚木の左足元には、 志水の顔があった。 頬を踏まれた状態でも眠り続けている。 柚木は、 そっと左足を離し、 何故ここに志水が寝ているのか考えた。 たしかに、 この部屋の練習予約は柚木だったはずである。
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