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柚木は慌てた。
先ほどの自らの言動を。
完璧に作りあげてきた自分。
それを、
志水だったから油断した。
手に汗が流れた。
柚木は、
それでもいつもの笑みを浮かべ、
何事もなかったような口調で言う。
「おや、
志水君。
お目覚めかい?何か夢でも見てたようだね?。
せっかくの楽譜が散乱しているよ。
今日は僕がこの部屋予約していたはずなんだけど、
気分が乗らなくてね。
君に譲るよ。
では、
ね」
ウィンク一つを残し、
他の女子ならば真っ赤になるであろう笑みで、
内心焦りながらも余裕を見せる。
が、
天然志水には効果はない。
物の本質のみ、
が志水の興味を煽るのだ
。
柚木は、
どうやら志水の興味の対象に入ってしまったらしい。
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