11人が本棚に入れています
本棚に追加
飲み物を注文して前の方の席に座る。
テーブルとカウンターをあわせて、50席ほどの店内に、正面にステージがあり、傍らにはドラムセットや電子ピアノがある。照明も本格的で、黒と焦げ茶色の壁や床が落ち着いた雰囲気を醸し出している。
暫くすると、小柄な女の子が客の周りを廻りながら、話をしてきた。
『まー君、ひさしぶり』、『かっちゃん遅いけど大丈夫?』、『しんさん今日もありがとう』
随分、親しげに話しているなぁ。なんて、聞いていたら
「初めまして?いや二回目かな?!」なんて云いながら、手を差し出してきた。
僕も一瞬、誰か判らなかったけど、薄い記憶を辿りながら、「三度目?いや二度目ましてかな?」と云いつつ、握手に応える。
「えっ?三度目?二度目?」。彼女は今一、ピンときていない?
「前に会ったのは半年前だし、少ししか話していないから」
「えっ?N市?Y市?」ますます『?』顔の彼女。
最初のコメントを投稿しよう!