1人が本棚に入れています
本棚に追加
という天の(作者の心の)声が届くことはなく、ダイダラー・ボーチ子爵は翌日、ルビ砂漠へ向けて単身旅立った。
荷物と言えば、着替えの赤パンツが10枚ばかりだった。
作者は思い出す。
「小さい頃、馬場さんはすごかったなぁ。
ジャンボ鶴田とのコンビで、タイガー・ジェット・シンと上田馬之助の極悪コンビと戦っていたなぁ。
馬場さんのドロップキックは32門キックだったなぁ。
タイガー・ジェット・シンはいっつも凶器を使ってたなぁ」
フッ、んなこたぁどうでもいいぜ。
無駄話をしている間に、ダイダラー・ボーチ子爵は、ルビ砂漠へと足を踏み入れた。
点在する砂漠の民の村を訪ねては、火鼠の噂を訊いて回る。
「このルビ砂漠で、火鼠を見かけたという話はないだろうか?」
「オマエノカーチャン、デーベソ(いや、聞いたことがないな、すまない)」
別の村で訪ねる。
「火鼠……」
「アホガミールー、ブタノケーツー(さぁなぁ、もっと西の方じゃないのかい?)」
ダイダラー・ボーチ子爵は数日のうちにルビ砂漠が大嫌いになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!