第1章

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 第1話の最後をおさらいしよう。  ダージリンのオレンジペコー、セカンドフラッシュでしかもマスカットフレーバーのする高級茶葉を持ってきたヴェルサイユ伯爵。  それについてタケトリス家執事トシオリーは、的確な評価を行い、さすがの紅茶通ぶりを見せつけ、ヴェルサイユを唸らせた。 「知ったかだっただろ」 というヴェルサイユのツッコミは突然の雷鳴にかき消された。 「大体なんの脈絡もなく第2話って、どういうことなんだよ?」 とヴェルサイユはつぶやく。  うっさいアホっ どこで第2話にしようがお前に関係あらへんやんけっ 大人の事情があったんやんけっ 大体1行先も考えてないようなテッキトーな小説やんけっ お前なんてヴェルサイユじゃなくてベロサンキューにしたろかっ  ん? 何だ今の声は?  気にしないでおこう。  ヴェルサイユと執事のトシオリーは、お互い実に不本意な面もちで食堂に入った。  ヴェルサイユはまずメイドに湯をたっぷり沸かすよう依頼した。 湯が沸くと、ヴェルサイユは持参した白く美しい陶器のティーポットとティーカップを湯に浸して温める。
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