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「まぁ」
ニトレアは目を丸くしてその可愛らしいケーキに見とれた。
イチゴに透明なゼリーが薄くかけられ、生クリームのホイップも上品な印象だ。
「美味しそう……」
「今、切り分けますので」
そう言うとシドバードは、メイドにお湯と長めのナイフを持って来るように頼んだ。
道具が揃うと、彼はナイフを湯に浸け、頃合いを見て引き上げて水滴を拭き取り、実にゆっくりと、長いストロークでケーキを切り始めた。
ケーキを切るのは難しい。
下手にやると、せっかくのデコレーションケーキがグシャグシャになる。
が、シドバードの切るケーキは、全く歪むことなく、ショーケースに並ぶショートケーキのように美しく仕上がった。
試して○ッテンである。
ぜひ皆様もご家庭でお試しください。
「お待たせいたしました、どうぞ、お召し上がりください」
シドバードは皿をニトレアの前に置いた。
少し大きめの美しい皿の真ん中に、小さなショートケーキが乗っていて、その周りにはストロベリーソースが垂らしてある。
ミントの葉も添えられていて、なんとも上品な盛りつけである。
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