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「ステキ……。
食べるのがもったいないぐらい……」
とかなんとか言って目を潤ませながら、すでに一口目を食べていた。
ご丁寧に口の端っこに生クリームを付けている。
「んふっ、おいし……」
これは作者の経験だが、本当においしい物を食べると、人間は笑うのだ。
それほどにシドバードのショートケーキは絶品だった。
そしてヴェルサイユの入れた紅茶を一口含む。
これまた絶品である。
国を代表するイケメン二人が用意した絶品グルメを堪能し、ニトレアはすっかり顔がにやけていた。
「ごちそうさまでした」
ニトレアは食べ終わると立ち上がり、ヴェルサイユとシドバードの二人に頭を下げた。
「いや、別に大したことじゃ……」
「姫、私のような平民にそのような……」
イケメン二人は、ニトレアが頭を下げたのが意外だったらしく、少し慌てた。
『まぁたしても作戦成功よ~ぐっふふ』
と思っているなど、とても想像はできない。
「あの、あ、あの、良かったらまた、今日みたいに、えっと、私だけじゃなく、お二人もご一緒に、お食事でも……」
ニトレアはそう言ってから、かぁーっと真っ赤になってうつむいた。
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