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生物が生きていく上で、食べると言うことは必要不可欠である。
それが大なり小なり、必要なことだ。
食べると言うことは、つまり、他の生物を殺すことでありーーつまり、生きることは同時に殺すことでもあるのだ。
そんな文字通り殺伐としたサイクルで成り立つのがこの世界な訳だ。
魚がプランクトンを食べ、殺すように。
人間が魚を食べ、殺すように。
プランクトンなどの微生物が人間の死体を食べるように。
食物連鎖はこうして続く。
「食物連鎖も度が過ぎれば世界を滅ぼしかねない……って言うのも、案外過言じゃないって話」
女性は自分よりもいくらか背の低い少女に向かって、言い聞かせる。
主室撫胸の言葉は、意味を理解出来ないながらも、少女の頭に強く残ったと言う。
「…………ん」
けたたましく鳴り響く目覚まし時計は、少女の鼓膜を激しく刺激した。
時刻は午前7時。
とても目障りな朝日が、彼女の部屋に差し込んでいた。
「……………………」
寝起きでボーッとした頭では何も考えられなかったが、とりあえず、ベッドから脱出することに成功した。
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