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それから服を脱いで、全身に隈無くサンオイルを塗り込むーー煩わしいことこの上ないのだが、こうでもしないと、普通の学生と変わらない生活を送ることが出来ないのだから仕方が無い。
作業を終えて、ようやく理性が浮かび上がってくる頃、全裸になっていることに自己嫌悪するのだが、これも日常茶飯事だった。
バンパイアーー妖怪の王、怪奇の王。最強と謳われる鬼が、彼女の真の姿である。
完全な夜行性だが、それでも太陽の下を歩くことが出来るのは、主室撫胸と言う天才の恩恵だ。
彼女にとって、撫胸は命の恩人である。4歳で天涯孤独となった彼女は、命だけでなく、それを繋ぐ環境ーー家や学校のみを確保された。
崩月御影。
天才の化物曰く、『新しい天才の卵』と呼ばれる少女だった。
透き通るような白い肌、闇夜のように漆黒の長い髪と瞳。
白黒ハッキリしている、と言う訳では無いが、割り切った考えの持ち主だと言われる。
暴力に訴えるが、決して話が出来ない訳では無い。
傍若無人ではないが、優しいわけでもない。
崩月御影と言う人物を挙げると、大抵そんな言葉が返ってくる。
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