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「いやだ、もういやだ、間所……」
首を振る水野の動きと共に、茶色のサラサラとした髪が頬を打つ。
「本当に嫌だったら…やめても…いいぞ……抜くか……?」
やっと許してくれたんだ。独りよがりでは意味がない。そう自らを叱って、俺は動きを止める。
途端、水野の奥深くが締め付けてきた。
「ち、ちが……!」
思わずといった様子でそうもらすと、無意識なのだろう、水野の腰が焦れて揺れ始める。
恋人の感度のよさに内心驚きながらも、少し意地悪な響きをこめて俺は問う。
「聡…、ほら、聡……。どうするんだ…?やめるか……?」
答えはわかっていても、彼の戸惑う視線が妙にかわいくて、ことさらゆっくりと揺すり上げる。
「ま、間所……!」
水野の唇が言葉を探して動いている。
だがいつまでたってもそれは音にはならない。
とうとう水野は答えない代わりに、耳まで赤く染めて、腕で顔を隠してしまった。
そしてやっと聞き取れるような小さな声で俺を呼ぶ。
だが俺はそれだけでは許さず、嫌がる彼の手をどけて無理やりその顔を覗き込む。
「ほら、どうされたいんだ……?言ってみな、聡……」
ついに泣き出してしまった水野が答える。
「……いきたい……間所」
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