雪灯篭

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それからもお母さん伝いに聞く麻紀姉ちゃんは幸せそうで、だから私は彼氏とそのおまじないを絶対して幸せになるんだって、前々から決めてたのに。 どうしよう? 今から参加しないってできるのかな? 翔が行かないって言うのに、私もやめちゃったら、2人減っちゃう。 それは、無責任だよね。 うん、作るのは作ろう、私までやめちゃいけない。 雪灯篭に願いをかけるのは、また彼氏が出来てからでいいもんね。 そうしよう、雪灯篭祭りは毎年あるんだもん。 今回は練習としての参加って事にしよう。 そして、いざその日。 集合場所に来たものの、初参加の私はどうしていいか分からずにいた。 その時。 「片山瑠亜」 フルネームで呼ばれ振り返るとそこには知ってる顔。 「永瀬雅美(まさみ)…」 「なんで、フルネーム、って違う!雅美(まさよし)だよ、クラス一緒なのに知らないとは言わせないけど?」 「ごめん、でも翔がまさみって呼んでたから、つい間違えちゃった」 「ま、いいや。で、沖田は?」 そう、永瀬と翔は友達。 雪灯篭を2人で作るのは大変だって事で永瀬も一緒に作ってくれる事になってたんだ。 「来ない…」 「なんで?ドタキャンなんて…そんなに体調悪いの?」 「違う…」 「違うって……」 一言言ったまま下を向いた私に悟っただろう永瀬は反転、背中を向けた。 「ま、いいや。取りあえず来いよ、片山。来たって事はお前はやるんだろ?」 そう言って私の返事も待たずに歩き始めた永瀬を私は追いかけた。
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