No.0 世界観

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人間と下界について* 創世神が神々や天使たちを生み出した時代と同じ頃、神族たちは地に生命を与えることにした。彼らは物質の世界に光を投じ、その光は初めの木を植え、初めの獣を産み、魚や鳥や虫達を生じさせた。このときに投げ込まれた光が、下界の生物に魂が存在する理由である。しかし物質の世界に突然光が投げ込まれたことで、地の世界は混沌とし始めた。時が流れ、様々な変化を遂げた下界。物質同士の混沌の中から偶然に誕生したものの中に、人間たちがいた。これが、人間の誕生である。神族たちは地の世界では物質としての形を取ることになるが、その物質としてい存在している神族たちに、人間は非常によく似ていた。人間の誕生は、創世神をも感動させる奇跡であった。その理由は、人間には魂の中に、理性、と呼ばれるものが存在したことで神々と同レベルの思考を可能としていたためと、肉体の内に秘めた魂を、神族と同じ「光」にすることができたからである。肉体に縛られているので、力こそ神族ほどは持てないものの、魂の本質は神族(光)の本質と同一であるため、魂だけはその気になれば神族と同じものにできるのである。神は感動し、魂を光とする人間たちを天に招待しさえした。これによって人間たちの中に「神」という信仰対象が生まれる。人間たちは神に学び、天使たちに学び、言葉を教わり、光と物質の本質の多少を理解した。これによって、世界の言語は一部を覗いて統一されているのである。また、この言語の統一によって、王族にはある一定の姓が入ることとなった。「王」を意味する「エル」である。天界の王族にあたる存在、天煌神の名にもこれは入っている。神族によって学んだ一部の人間たちは知恵を持ち、それぞれの国を創り、その地に住まう人々を束ねた。王族の誕生である。しかし、人間の魂、即ち精神は光にできるのと同時に、それを闇に染めることもある。これにより、悪政を強いる王族達も出てくるようになった。それゆえ、戦争等も昔に比べて起こりやすいものになったと言える。これについては次ページ、「魔族と魔物について」を参照。
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