No.0 世界観

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魔族と魔物について* 神族たちは飽くまで人間にはない力を持つだけであり、思考などは人間に近い。加え、本質が光という不安定なものである。そういうわけで、邪念や間違った正義感などを持つ神族も時には存在することがある。正義感からにしろ邪念からにしろ捻くれからにしろ、創世神の意思に背くものは天界を弾かれ、天に怨みを持つことが少なくない。こうした、創世神や天に怨みを持ち、天と対に染まった神族を、魔族と呼ぶ(※1)。魔族はやがて寄り集まって天と地の狭間に暗黒の点を穿ち、独自の社会を形成した。これが魔界である。魔界の住人たちは天への復讐をするため、地の世界に闇を投げた。それらは獣の体に侵入して異様な進化を遂げさせ(※2)、異形の怪物(魔物)を生み、地の生き物たちを脅かした。しかしいくら粘ろうとも、それが天に届くことはなく、今尚、魔族らの抵抗は続いている。また、人間たちもあまりに強い毒を持てば魔族と化し、自ら魔界へ赴くことがあるが、その立場は魔族の中でも極低い。時には魔物にされて地の世界へ送り返されることもあるとか。王族の場合は都合のいいように取り入れられ、国ひとつ頭から乗っ取られるところもあるようだ。また、魔族の中で最上位の立場にいるのは、オルシェという邪神である。ごく最近魔界に君臨した天煌神から転じた魔族であるらしいが……。しかしその邪気はあまりに強大で、創世神に遣わされた四精霊をその毒に染めるほどの力があったため、「英雄」と呼ばれる四人の戦士が立向かい、一人が媒体として体内に取り込み、肉体による力の制限を施して、その体ごと封じ込めた。再度復活したが、自身が生み出した四匹の妖精によって、再び封じられ、今に至っている。またこの時、自らを犠牲にした英雄の体と魂は助け出され、再度の邪神の復活が起こったとき、他三人の仲間と共に邪神に立ち向かうことを運命づけられた。現時点、邪神オルシェが魔族の頂点にあることは確かだが、いつしか英雄たちによってその存在を無きものにされることになるだろう。その時、魔族たちはどうなるのだろうか。 ※1…天使から魔族になったものを悪魔、神から魔族になったものを死神と呼ぶ。下神は前者に入るようだ。 ※2…獣人のルーツだったりするらしい。
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