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9:00発の新幹線
沙織は、席を探していた。
「ここだ、窓際でOKね」
鞄から本を取り出し席に座る。
新幹線が動き出した。
大宮を過ぎた頃、本を読んでいた沙織は少し眠くなってきた。
昨日、早めの就寝だったが、目が冴えて眠れなかったのが、列車の揺れで眠気が襲ってきた感じであった。
「少し寝ようかな」
そう思い、帽子を顔に被せ、少しウトウトしていた。
「お客様、切符を拝見致します」
車掌が、切符の確認に、
「有難う御座います」
沙織は、目が覚めた。
横の席に、老婆が座っていた。
目が覚めた沙織に、話しかけて来た。
「お姉さん、何処まで」
沙織は、
「新潟まで行きます」
「観光かい」
「はい、佐渡まで行こうかと思って」
人懐っこいお婆さんに、
「何処か、お勧め有りますかね」
「時間があれば、糸魚川の翡翠を見に行ってごらん」
「翡翠ですか」
「翡翠は、一度見ておいた方が良いよ」
「ありがとう。お婆ちゃん」
「お姉さん、ミカン食べるかい」
話に花が咲き、新潟にあっという間に着いた。
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