カオリ

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カオリ

容姿なんて関係ない。 「恋愛に一番大事なのは、やはり気持ちだ。」 そう信じているカオリ。容姿が良くても、中身がグズグズでは、恋愛なんてできない。 そんなわけで、今まで容姿で絶対に人の評価をしなかった。 カオリの初恋は小学校の時である。ブランコで遊んでいると、不意にブランコから落っこちてしまった。膝からは、真っ赤な血が流れている。 「いたたっ。」 カオリが痛みに耐えながら、目を潤わしている。 「大丈夫。おんぶして保健室まで連れて行ってあげるよ。」 同じクラスのシュウだった。背の順では一番前で、いつも鼻水を垂らしているような、クラスではパッとしない子である。 しかし、痛さと驚きで動けなかった私は、 「ありがとう。」 シュウの背中に身を委ねた。 シュウと私は同じぐらいの背丈だった。決して居心地は良いわけではなかった。右へ左へ、また、たまに足が床に着く始末。しかし、私の心を揺り動かすには十分すぎたのだった。 その時から、淡い恋心を抱いていた私。中学生になって、周りの同級生も恋愛の話で盛り上がっている。周りの友達は色々と恋愛の話を私に振ってくる。 でもその時は、男子と付き合うということって、一体何なのか。自分の中で答えが出ず、付き合うまではいかなかった。 後で分かったことだけど、シュウの容姿クラスは私より一つ下のEクラスだったらしい。 どっちにしても、叶わない恋だった。そう思うと、シュウへの複雑な恋心は、すぐに忘れることができたのだった。
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