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そして、こいつ。幼稚園からの付き合いで、同じDクラスとまさしく腐れ縁であるナオキ。
こいつは可哀相なことに、この制度のために失恋を経験している。中学校時代に、一つ上のCクラスの女の子と恋に落ちた。しかも、その女の子もナオキのことが好きで、両思いだった。勿論二人とも付き合うことは法律違反であることは知っていた。しかし、彼らは法律の壁に逆らうことを決めた。
しかしその時、彼女の両親がその事態に感づき、強制的に別れさせられた。その時、俺はこいつに何にも言葉をかけることはできなかった。おそらく現在も、その件に関して彼に、言葉をかけることはできないと思う。だから、俺らの会話にその話が持ち上がることはない。口にはしないが、彼は相当「容姿点数恋愛制度」を憎んでいる。
そしてもう一人。俺の家の前の家に住んでいるカオリ。小学校と中学校が同じだった一つ下の女の子。今でも喋ったり、ご飯を食べたりする仲である。お世辞にも美人だとは言えないんだけど、一緒に居ると心落ち着く娘だ。
ちなみに彼女の容姿クラスは俺より点数は高いんだけど同じDクラス。
2人の両親も仲が良くて前から
「お前ら二人付き合えば良いんじゃない。」
と言われたものである。
しかし、俺の中でカオリは恋愛対象には入らなかった。
しかしカオリはというと、まんざらでもない感じ。真剣なのか冗談なのか分からないが、
「私たち恋人になったら、どうなるかな?」
彼女が聞いてきたことが過去に数回あった。
「どうなるって・・・。」
俺はそう流すだけだった。もしあそこで
「そうだな。良いカップルになるんじゃない。」
とでも答えていれば、今俺とカオリは付き合っていたかもしれない。
コウヘイ、リキ、ナオキ、カオリがいつも俺を支えてくれているメンバーだ。
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