合縁奇縁

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「はい。あ、でも所詮文化祭の展示用なんですけどね」 「むり! 絶対むりです、そんなの!」 大したことじゃないと簡単に言ってのけた彼は、和那の拒絶に瞬きを繰り返して眉尻を下げた。 「どうしても、むりですか……?」 「だって、そんなのしたことないです。大体、別に俺じゃなくてもいいでしょう?」 「……俺が撮りたいのは、この風景なんです」 唇を尖らせ、どこか不機嫌そうに男は和那から視線を外した。 男の視線の先に広がるのは、更に濃くなった闇に浮かぶ月と星のシルエット。
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