合縁奇縁

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「だから今日、ここに来ました。そしたら、波打ち際にいたあなたを見付けたんです」 ざざっと、波が弾けて闇に映える白波を立てる。 和那は、男から視線を外さなかったことを後悔した。 視線が絡んで、逃げられない。 「この風景に溶け込んだ、あなたの姿を撮りたいって思った。だから、代わりじゃ駄目なんです、あなたじゃなければ意味がない」 真っ直ぐすぎる言葉に、和那は思わず視線を逸らした。
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