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*羊?ひつじ?ヒツジ?*
郵便受けを覗いた俺は、束になったハガキを取り出し、そのままリビングへと向かう。
椅子に座ると、ハガキを纏めている輪ゴムを外し、早速、年賀状を一枚一枚確かめた。
「あ、中川さんの年賀状。流石だなぁ」
書道の段位を持つ中川さんの年賀状は、筆で「謹賀新年 今年も宜しくお願い致します」と、達筆な文字が書かれていた。
一枚一枚、筆で手書きをしていると、以前に聞いた事がある。
こんな年賀状が書けたら、カッコいいよな、と思いながら次のハガキを見た。
「これは……関副署長からだ」
文字と綺麗な色使いのイラストとのバランスが、とても関署長らしい年賀状だ。
和柄をバックに、綺麗な羊のイラストが描かれている。
関副署長の癒しのオーラが、年賀状から溢れているように見えた。
「これは、神崎署長だな」
アートのようなイラストと、かっこいい文字がマッチしている、とてもお洒落な年賀状だ。
毎年思うけど、神崎署長の年賀状は、とてもお洒落なポストカードみたいな仕上がりで、そのまま写真立てにいれて飾れそうだと思う。
この辺りのセンスの良さは、神崎署長の好みの良さなんだろうな。
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