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「えー……っと、これは?…あぁ、東さんだ」
お孫さんなのか、幼い男の子と女の子が、笑顔でピースをしている。
普段の東さんからは想像出来ないけど、きっとこの子達にはデレデレなんだろうな。
厳つい東さんの目尻が下がる様子を想像して、その和やかな笑顔にほっこりした気持ちになる。
「これは、西田課長だな、うん」
毎年ながら、『今年も、しっかり働けよ』の、お決まりの一文が添えられている。
いや、毎年、それこそ必死に働いてますよ。
それなのに、新年早々に発破をかけられる俺の存在って、一体……。
「あ、勝川課長だ」
西田課長とは、また違った意味で正反対な年賀状だ。
なんとなくだけど、どこかよそよそしい文面。
俺って、やっぱり勝川課長に嫌われてるんでしょうかね……。
どこか壁を感じてしまうのは、俺の被害妄想でしょうか。
「これは………曽根さんだな」
まるで、象形文字のような年賀状。
この、土偶みたいな人みたいな絵って、何か意味があるんでしょうか?
書かれている文字よりも、バックの絵が非常に気になるんですけど。
まるで、何かの儀式に使われてそうな絵だ……。
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